How sex toys have changed the way we sleep
わたしが初めて「ラブグッズ」に手を伸ばしたのは、たまたまSNSで流れてきた投稿がきっかけだった。
おしゃれなパッケージに、美容グッズのようなデザイン。「えっ、これが大人のオモチャなの?」と目を疑った。
でもそのとき、心のどこかが軽く弾んだのを、今でも覚えている。
一歩、勇気を出して覗いてみたラブグッズの世界は、想像していたよりもずっと繊細でやさしかった。
とくにわたしを惹きつけたのが「遠隔ローター」だった。
小さな楕円形のボディは、ほんのりと肌に吸い付くような柔らかさ。リモコンひとつで自在に振動を操れ、その震えは、まるで恋人の舌先のようにリズミカルで、生々しくて……だけど、やさしかった。
一人で過ごす夜。
お風呂上がりに肌を整え、お気に入りのルームウェアに着替える。
カーテンを閉めて、照明を少し落とし、スマホをそっと開く。そこには、Bluetoothで繋がれたラブグッズアプリの画面。
「遠隔操作モード」を選び、振動パターンをカスタムする。
……ピッ。
ボタンを押した瞬間、わたしの奥がわずかに震え、思わず吐息が漏れた。
その刺激は、ただ単に快感を与えるものじゃない。
長く張り詰めていた心の糸を、ゆっくりとほぐしてくれるような、癒やしのリズム。
自分の感覚とじっくり向き合い、何にも縛られない快楽に身を委ねる時間。
それが、ラブグッズがくれた一番の贈り物だった。
そして遠隔ローターの本領は、誰かと「つながる」ことで発揮される。
パートナーにアプリを共有し、振動の操作を任せる。
「次はどこを責められるんだろう」
「このリズム、わたしの反応を見て選んでるの?」
そんな想像が脳内を駆け巡るだけで、もう身体が勝手に反応してしまう。
会えない距離にいる夜でも、スマホの向こうから伝わってくる「あなた」の存在。
リモートでつながっているだけなのに、むしろ普段より近くに感じられるのはなぜだろう。
画面越しの言葉ひとつ、震えひとつが、肌と心をやさしく撫でてくれる。
ラブグッズ、とくに遠隔ローターは、単なる性具じゃない。
自分の身体と、心の欲望と、他人とのつながりと……そのすべてを静かに見つめ直すための、小さなツール。
だからこそ、ラブグッズは女性たちの間で、確かな存在感を放ち始めている。
恥じるものではない、自分を大切にするための選択肢のひとつとして。
ふと、手元のローターが震えを止める。
身体の余韻が残る中で、わたしは小さく微笑んでベッドに身を沈める。
ラブグッズがある夜は、寂しさではなく、満たされた静けさに包まれて眠りにつける。
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